介護施設の看護師がオンコール当番で対応する頻度は?

介護施設のオンコール当番で対応する頻度を気にする看護師

 

「『オンコール当番あり』って書いてあるけど、たくさん呼び出しあるのかな?」
「オンコール当番でたくさん出勤するのはイヤだなあ…」

 

このように、介護施設の求人をチェックしていて『オンコール当番あり』と書いてあることで、不安を覚える看護師さんも多いのではないでしょうか。

 

看護師は、夜勤に慣れている人は多いのですが、手術室などへの勤務経験がないとオンコール当番を経験している人は少ないです。実際にオンコール当番で、どのくらい夜中に起こされるのか、実際に出勤させられるのかがわからないと不安も大きくなるでしょう。

 

そこで、この記事では特別養護老人ホームや、介護老人保健施設で行われるオンコール当番の実態について解説していきます。介護施設の求人に応募しようか迷っている看護師さんは、ぜひ参考にしてください。

 

*本記事における各種データは公益社団法人日本看護協会による『特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査報告書』を出典としています。

介護施設のオンコール当番はどのくらい呼ばれるの?

介護施設で看護師がオンコール当番をする場合、実際にどのくらいの頻度で電話があったり、出勤したりする必要があるのでしょうか。

 

オンコール当番の頻度を考えるときは、次の3つにわけて考える必要があります。

  • 看護師が電話対応をする頻度
  • 実際に看護師が出勤対応をする頻度
  • オンコール当番で待機をする頻度

3つの頻度について、順に説明していきます。

 

看護師が電話対応をする頻度

オンコール当番をするとしても、電話があったときに必ずしも出勤をするわけではありません。電話対応のみで終了することもあるのです。

 

電話対応のみで終わるのが、どのくらいの頻度になるのかは次のような結果となっています。

 

<1ヶ月あたりの電話対応頻度 調査結果>

  特別養護老人ホーム 介護老人保健施設
0回 26.9% 54.2%
1~4回 46.5% 33.3%
5~9回 9.7% 4.2%

*上記データは、『特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査報告書』の表79より引用。

 

このように意外なことに、オンコール当番をしたとしても1ヶ月の間の電話対応がゼロとなるケースも多いことがわかります。

 

最も多いのが、1ヶ月あたり1~4回の電話対応という形になっています。あくまでも、電話対応のみとなり、実際に出勤するに至っていないものですが、意外と少ないと感じる人も多いのではないでしょうか。

 

実際に看護師が出勤をする頻度

オンコール当番をして、電話対応をしただけでは終わらずに実際に出勤となると負担が重たくなります。

 

出勤にまで至った回数は、次のとおりとなっています。

 

<1ヶ月あたりの出勤頻度 調査結果>

  特別養護老人ホーム 介護老人保健施設
0回 53.5% 75.0%
1回 20.0% 10.4%
2回以上 8.0% 2.1%

*上記データは、『特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査報告書』の表81より引用。

 

出勤にまで至った回数は、介護老人保健施設では75%でゼロだったという結果が出ています。特別養護老人ホームでは、53.5%がゼロとなっています。いずれの介護施設においても、オンコール当番を1ヶ月間したとしても出勤ゼロとなる可能性が高いことが伺えます。

 

とはいえ、特別養護老人ホームにおいては1ヶ月間に2回以上の出勤があったとする回答が8%もあります。勤務する施設によっても、大きく違う可能性がある点にも留意する必要があります。

 

1ヶ月あたりのオンコール当番をする頻度

ここまで、電話対応・出勤のいずれもが必ずあるわけではないことがわかりました。実際のところ、1ヶ月間に何回のオンコール当番があるのかも確認していきます。

 

<1ヶ月あたりのオンコール当番頻度 調査結果>

  特別養護老人ホーム 介護老人保健施設
1~4回 11.0% 29.9%
5~9回 36.0% 16.9%
10~14回 24.0% 13.0%
平均 9.1回 4.1回

*上記データは、『特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査報告書』の表77より引用。

 

オンコール当番がどの程度の頻度であるかは、施設によって大きく違います。特別養護老人ホームと、介護老人保健施設を比較すると、特別養護老人ホームのほうがオンコール当番の回数は多くなります。

 

オンコール当番の回数を少なくしたいのなら、介護老人保健施設への転職がおすすめです。

 

オンコール当番の頻度まとめ

ここまでご紹介してきた、電話対応頻度・出勤頻度・当番回数をまとめると次のとおりとなります。

 

<オンコール当番の頻度まとめ>

  特別養護老人ホーム 介護老人保健施設
1ヶ月あたりの電話対応頻度 最多回答 1~4回(46.5%) 0回(75.0%)
1ヶ月あたりの出勤頻度 最多回答 0回(53.5%) 0回(75.0%)
1ヶ月あたりの当番頻度平均 月9.1回 月4.1回

*上記データは、『特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査報告書』の表81より引用。

 

このように、特別養護老人ホームのほうが若干ですが、オンコール当番による看護師への負担は重たいことがわかります。

 

しかし、いずれの介護施設であってもオンコール当番をしたからといっても、頻繁に電話があったり、出勤があったりするわけではありません。確かに、オンコール当番による精神的な負担は存在しますが、電話や出勤が過度にあるわけではないことを理解しておきましょう。

 

介護施設では必ずオンコール当番があるの?当番後は?

介護施設において、オンコール当番は必ずあるのでしょうか。特別養護老人ホーム、介護老人保健施設それぞれの状況を確認していきます。また、オンコール当番をした翌日に出勤があるかどうかも説明していきます。

 

特別養護老人ホームではほぼある

特別養護老人ホームで、オンコール当番がある施設は全体の91.8%です。

 

9割を超える施設でオンコール当番があるので、特別養護老人ホームに関してはほぼあると考えてください。そのため、仮に求人に「オンコール当番あり」と書いてないとしても、面接時などにオンコール当番の有無を確認するのが望ましいでしょう。

 

 

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介護老人保健施設ではないことが多い

介護老人保健施設で、オンコール当番がある施設は全体の14.2%です。

 

介護老人保健施設においては、オンコール当番がない施設のほうが多数を占めることになります。

 

オンコール当番翌日は出勤するの?

オンコール当番の当日は、電話を受ける・出勤できる体制さえ整えていればゆっくりと休んでも問題ありません。しかし、そうは言っても、いつかかってくるかわからない電話は精神的な負担もあり、心から休むことは難しいでしょう。

 

そのため、オンコール当番の翌日はできれば休日がよいと考える人が多数でしょう。実際のところ、どうなっているのかアンケート結果をご紹介します。

 

<オンコール当番翌日の勤務シフト>

  特別養護老人ホーム 介護老人保健施設
原則として、通常どおり出勤 88.6% 71.4%
原則として、翌日は半休 2.2% 2.6%
原則として、翌日は休日 1.4% 10.4%

*上記データは、『特別養護老人ホーム・介護老人保健施設における看護職員実態調査報告書』の表83より引用。

 

このように、いずれの介護施設でも8割程度のところで翌日も通常とおり出勤となっています。休日となっているところは、特別養護老人ホームでは僅か1.4%です。介護老人保健施設に関しては休日が10.4%となっていますが、それでも休みとなる施設は一部であることがわかります。

 

また、「特に勤務シフトは決まっていない」も特別養護老人ホームで4.3%、介護老人保健施設で7.8%となっていて、曖昧にしているところも少数ながらあります。

 

アンケート結果をみればわかるとおり、オンコール当番をしたとしても、翌日にゆっくり休めることは少ないと考えたほうがよいでしょう。

 

オンコール当番の手当は?

オンコール当番をしたことによる、手当はどの程度もらうことができるのでしょうか。オンコール当番をしたからといっても、待機しているだけで終わることもあれば、電話対応や出勤まですることもあります。

 

オンコール当番で待機しただけでも、精神的な負担はあるのですから手当の支給は得たいところです。実際のところ、どのようになっているのか説明していきます。なお、以下でご紹介するデータは特別養護老人ホームだけを対象にしたものとなります。

 

オンコール待機だけで手当ありは73%

オンコール当番で待機しているだけでも、手当ありとしている特別養護老人ホームは73.2%となります。つまり、大半の特別養護老人ホームで電話対応や出勤がないとしても、手当支給を行っていることになります。

 

そして、至急される手当の平均額は1回あたり1,353円となっています。

 

電話対応したことによる手当ありは10%

電話対応をしたことによる、手当を設定しているところは少なく10.6%だけになります。つまり、待機による手当がなく、電話対応による手当も設定されていない場合は、オンコール当番をしていてもほとんど手当はでないことになります。

 

電話対応をすることによる手当の平均額は1回あたり1,133円となります。

 

実際に出勤したことによる手当ありは84%

オンコール当番をしていて、実際に出勤までした場合で手当が支給されるのは84.6%でした。高い数字にも思えますが、オンコール当番中に出勤までしたとしても手当を支給しない施設が1割以上あることに驚きます。

 

出勤対応までした場合の手当の平均額は、1回あたり2,288円となります。

 

実際には、待機だけで手当が出るが、出勤対応をしても出ないケースなども含まれると想定されます。そのため、オンコール当番がある求人に応募するときは、どのような形で手当がでるのかを確認するようにしてください。

 

まとめ

この記事では、看護師が介護施設に勤務するときに直面するオンコール当番について詳しく説明してきました。

 

オンコール当番は、対応する頻度は比較的少なめとなることが多いです。しかし、待機しているだけでも精神的には負担はあります。オンコール当番のある職場で働くかどうかは、待機によりストレスをどの程度感じるのかで決めるようにしてください。待機だけでもストレスが大きく、さらに手当がなかったり、少なかったりするのであれば働くのは避けたほうがよいでしょう。

 

オンコール当番での待機に強いストレスを感じず、さらに手当もでるのであれば求人応募するのをおすすめします。オンコール当番を楽と感じるか、きついと感じるのかは性格による部分も大きいので適正を見極め働くようにしてください。