「訪問看護ステーションの求人条件がいいんだけど危険じゃないの?」
「訪問看護師に転職したいけど、実際どうなのかな?」
このように訪問看護師に興味はありつつも、危険がある可能性もあるため転職に踏み切れない人もいるのではないでしょうか。
看護師として転職活動をしていると、訪問看護の求人を多く目にします。しかし、訪問看護師として仕事をすることに不安や疑問があって、求人応募に踏み切れない人も多いです。
そこで、この記事では訪問看護師に危険はあるのか、ないのかを詳しく解説していきます。訪問看護ステーションへの転職を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
訪問看護師は危険なのか?
答えを先にお伝えすると、「危険なこともある」のが実態です。しかし、その程度はさまざまですし、実際に危険を感じないで気持ちよく仕事をしている看護師もいます。
ここでは、『一般社団法人全国訪問看護事業協会』が行った全国的な調査を元に、訪問看護師の実態についてお伝えしていきます。
過去1年で約30%の看護師が「暴力・セクハラ」経験ありと回答
*グラフは一般社団法人全国訪問看護事業協会が実施した『訪問看護師が利用者・家族から受ける暴力に関する調査研究事業 2019年 報告書7頁』より引用。
訪問看護師として働く人の、約30%が過去1年の間に暴力などを経験しています。身体的な暴力だけではなく、精神的暴力、セクハラのいずれもが30%前後の看護師が経験していることになっています。
この約30%の数字は、率直にいって高いです。訪問看護の多くが密室に看護師が一人で出向くことになるため、起こるべくして起こっている危険といえます。
しかし、この数字は「1年に1回だけ」のケースも多数含まれると想定されます。また、精神的暴力についても「軽い暴言を受けた」などが含まれるケースも考えられます。
日常的に暴力やセクハラを受けていることを表わす調査結果ではないことに、留意してください。
過去すべての期間では半数の看護師が「暴力・セクハラ」経験ありと回答
*グラフは一般社団法人全国訪問看護事業協会が実施した『訪問看護師が利用者・家族から受ける暴力に関する調査研究事業 2019年 報告書7頁』より引用。
先ほどの調査結果は「過去1年以内」と期間が制限されていましたが、期間を制限しない場合の調査結果では実に半数もの看護師が被害を受けています。
特に多いのが精神的暴力です。ただ、単純に性格があわない、患者の性格がきついなどから暴言が発せられているケースも多数になるでしょう。しかし、看護師が訪問するところには、認知症患者がいる場合もあります。つまり、精神的暴力があったとしても認知症などに起因するものである可能性もあります。
いずれにしても、看護師にとっては精神的に負担がある状態になることが多いです。
訪問看護は原則1人で行うことから危険発生のリスクがある
訪問看護は、原則として看護師が1人で行います。そのため、ここまで紹介したような暴力やセクハラを受けるのは必然的に起こりえることであるとも考えられます。
暴力やセクハラを完全に避ける方法はありません。しかし、危険が生じる可能性があることを前提として、その対策を実施している訪問看護ステーションであれば快適に働ける可能性があります。
訪問看護師に危険はあるが対策をされているかが重要
ここまでご紹介したとおり、訪問看護師の多くが暴力やセクハラの被害を受けています。しかし、病棟で働く看護師だとしても、時にはセクハラを受けることはあります。稀に暴力もあるでしょう。
つまり、訪問看護に限らず可能性の高低はあるにしても、暴力やセクハラを受ける可能性はあるのです。大事なことは、働く看護師を守る体制があるかどうかです。
そこで、ここでは訪問看護ステーションが、備えておくべき次の5つの対策をご紹介します。
- 暴力等のリスクがある訪問先には二人以上で訪問する
- 上司に相談できる体制がある
- 暴力時に訪問看護契約の解除が契約書に明記されている
- 警察に被害届を出す
- 緊急コールをできる体制がある
それぞれの対策について、解説していきます。
*本項目で紹介する数値等は『訪問看護師が利用者・家族から受ける暴力に関する調査研究事業 報告書』からの引用となります。
対策1.暴力等のリスクがある訪問先には2人以上で訪問する
訪問看護は原則として看護師1人で行うものです。しかし、過去に暴力やセクハラがあった訪問先や、危険性があると予測される訪問先には2人以上のスタッフで訪問をするのは大切なことです。
訪問看護ステーションへの転職を考えている場合は、この対策が実施されているかどうかを必ず確認してください。
この対策を実施している訪問看護ステーションは、全体の73%になります。全体の7割以上の訪問看護ステーションが実施している対策であることから、訪問看護業界全体が看護師を守る体制を取ろうとしていることが伺えます。
逆に言えば、この対策を実施していない約3割の訪問看護ステーションは看護師を守る意識が希薄といえます。
対策2.上司に相談できる体制がある
上司(管理者)に相談できる体制があるかも重要です。こちらは70%の訪問看護ステーションで実施されている対策です。
被害を受けたときに、相談できる相手がいない、相談できるかどうかもわからない体制では看護師を守ることはできません。転職先選びをするときは、この対策も実施されているか確認するようにしましょう。
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対策3.暴力時に訪問看護契約の解除が契約書に明記されている
訪問看護ステーションの61%が暴力などが発生したときに、訪問看護契約を解除できると契約書に明記しています。
暴力などがあればこのような契約がなくとも、契約解除は可能と考えられます。しかし、利用者側に暴力などを起こさせないために、契約書に記載をするのは有効な対策です。
対策4.警察に被害届を出す
暴力は犯罪です。しかし、実際には警察への被害申告を避けようとする訪問看護ステーションは多いです。
被害内容によって被害届を出す体制が整っているのは、45%に留まっています。
訪問看護ステーションの管理者が、被害届の提出も行うと強気な姿勢でいるのは働く看護師にとっては心強い要素になります。
対策5.緊急コールをできる体制がある
どのような対策をとっても、暴力やセクハラを受ける可能性はあります。そこで、身の危険を感じるような場合はすぐに緊急コールをできる体制があることも重要です。
緊急コールは52%の訪問看護ステーションで行えるようになっています。実際に緊急コールをするような事態ならない体制作りは当然として、危険が生じたときの体制作りがなされていると看護師も安心できます。
対策1~5のいずれか複数が実施されていれば安全に働ける可能性が高い
ここまで、看護師を暴力やセクハラを守るための対策を5つご紹介してきました。訪問看護師への転職を考えている場合は、5つのうちいずれか複数が実施されている訪問看護ステーションを選ぶとよいでしょう。
特に『対策1.暴力等のリスクがある訪問先には2人以上で訪問する』は重要です。他対策がなされていない部分があるとしても、対策1がきちんと実行されているのであれば、安心度は高めになります。
それでも訪問看護師はやりがいがある仕事
ここまで確認して、訪問看護の仕事の危険性は高く、転職は避けるべきと考える人もいるかもしれません。しかし、訪問看護師には魅力もあり、仕事を続けたいと考える看護師が多いことも知っておいてください。
暴力・セクハラを受けて「辞めたい」と考えた看護師は約25%
*グラフは一般社団法人全国訪問看護事業協会が実施した『訪問看護師が利用者・家族から受ける暴力に関する調査研究事業 2019年 報告書18頁』より引用。
訪問看護師は危険性が高く、誰もが続けたいと思わない仕事とイメージする人もいるかもしれません。しかし、暴力やセクハラを受けた後であっても、「仕事を辞めたい」と考えた人は約25%に留まっているのです。
訪問看護師には、1人で行動できるからこその仕事の魅力もありますし、利用者に感謝される場面も非常に多いです。そして、収入面でも夜勤がないにしては悪くはありません。
訪問看護師の悪い面ばかりではなく、よい面にも目を向けて転職するかどうかを決めるのをおすすめします。
まとめ
この記事では、訪問看護師の危険性について解説してきました。解説したとおり、現実問題として暴力やセクハラを受ける可能性は十分にあります。
調査結果でも、約半数の看護師が暴力やセクハラを受けたと回答しています。しかし、それにも関わらず訪問看護師を続けたいと考えている人が多いことも合わせて知っておくとよいでしょう。
訪問看護師への転職を検討している場合は、今回ご紹介した対策が実施されているところを選ぶようにしてください。快適に働ける職場を見つけることができれば、訪問看護師として楽しく働けるはずですよ。